(一社)宮崎県宅地建物取引業協会

不動産業に挑戦!先輩の声 Gooday Planning(グッディ プランニング) 出口 公浩 氏

公開:2023年12月21日(木)

宮崎県で不動産業を始めたい、興味がある方へのお役立ちコラム。今回は、「人生で第二の冒険に出た!」という宮崎市の出口公浩さんをご紹介します

Q:不動産業との出会いは?
A:東京で大学を卒業後、そのまま向こうの中堅不動産会社に入社しました。都会ですから取り扱う物件や金額も大きいし、仕事の内容も多岐にわたり、必然的にコンサル的なことも勉強することになりました。私の仕事への考え方や取り組み方には、そのときの上司の影響があります。すごく細かく叩き込まれました。そのときの経験で不動産業は、お客さまそれぞれの人生のドラマに関わることができる魅力的な仕事だと思いました。
Q:開業までの経緯を教えてください
A:33歳で宮崎に戻り、しばらく経って住宅メーカーに勤めました。大変お世話になりましたが年齢を重ねて思うところがあり、定年まで勤めようかどうしようかと迷いました。宅建士の資格もあるし、ずっとお付き合いしているお客さまもいる。独立して「生涯現役」でいたいという気持ちが強くなって妻と娘に相談しました。2人がふたつ返事で賛成してくれたことを受け、さらに信頼できる友人に私が感じていた不安も含め話しをしたんです。友人は、定年まで勤めて独立なんて甘い!独立して軌道に乗るまで2~3年はかかるのだから年齢的に今しかない!と背中を押してくれ、61歳の今年、開業に至りました。
Q:営業はどのように?
A:営業は、チラシを手作りしてお渡しするなど地味なところからやっています。お客さまは前職からのお取引のある方が200名以上はおられますし、知人の紹介もあります。今までのお客さまのことはすごく大切にしていて、ご本人さまの誕生日やご家族の誕生日、お好きなこと、家を建てた記念日など思いつく限りデータを残しています。そして何かのたびにハガキを出すなど、ずっと続けています。中には3世代に渡ってお付き合いさせていただいているお客さまもいます。いま、不動産業はwebやSNSを駆使する方、私のように直接のお付き合いを重視する人と2極化してきた気がします。お客さまもお取引の内容によって業者を選べるというか、住み分けができる時代になったと思います。
Q:今後の目標は?
A:「生涯現役」ですね(笑)。とにかく元気に出来るところまで仕事をしたいです。私ぐらいの年齢になると「やってみたら?」とか「勢い!」ではなかなか始められないはずなんです。私は今までの経験を基に不動産コンサルタントというか何でも屋として、お客さまのお役に立てたらいいなと思っています。今回独立してよかったと感じたのは妻も含め、親孝行できることです。私の実家は小林市ですが、両親の用事で出かけることが多くなりました。両親も年齢を重ねて介護も必要になってきたので、私が時間を自由に使えるようになったので助かっています。
Q:不動産業を営む上で大事にしていることは?
A:お客さまに対する誠実さですね。この仕事はお客さまやお取引先の信用が何より大切です。不動産業は「もの売り」ではないと思っています。家や土地は高額なお買い物で、お客さまの命の次ぐらいに大切な財産です。それほどの商品を扱うのだから私たちはお客さま以上に考え、調べて、ご提案をしなければいけません。お客さまと反対の意見になったとしても今後お客さまの不利益になる可能性がある場合は、ハッキリとお伝えします。以前、住宅メーカーにいた頃のお客さまから家を売りたいと連絡がありました。建てて10年ほど経っているのに建てたときより100万ほど高く売れて感謝されたことがあります。お客さまへの姿勢は、すぐに結果がでるものではなく感謝されることもないかもしれません。でも大事なことです。
Q:不動産業に興味のある方にメッセージを!
A:不動産業は、お客さまとお取引しておしまいではなく、その後もずっとお付き合いしていける素晴らしい仕事です。あせらず余裕を持ってお取引にあたってください。開業する前はご家族としっかり話し合ってくださいね。また開業セミナーに参加したり宅建業協会に相談したりしていろいろなお話を聞いてみてもいいと思います。

年齢を重ねた上で開業を決めた出口さんの思いは、定年後の独立を目指している方の参考になりそうです。ご協力ありがとうございました。

【プロフィール】
出口 公浩(でぐちきみひろ)
1960年生まれ。小林市出身。創価大学経済学部卒業。読書など静かなことが好きだが、旅も好き。夢は小さなキャンピングカーで全国の道の駅めぐりをすること。