(一社)宮崎県宅地建物取引業協会

不動産業に挑戦!先輩の声 株式会社Airラボ 籾田 顕佑 氏

公開:2023年12月21日(木)

宮崎県で不動産業を始めたい、興味がある方へのお役立ちコラム。今回は、ミレニアル世代が創る新しい仕事のかたちを籾田顕佑さんにお聞きしました。

Q:不動産業との出会いは?
A:大学卒業後、積水ハウスに就職しました。勤務は東京で、戸建てをはじめ分譲住宅地や都市開発などお客さまとの土地や建物のお取り引きの際、法律や契約内容についてご説明をします。プロとして仕事をするなら宅建士の資格は必要だと思い、そのときに取得しました。ここでは社会人としての基本や業界の仕組みなどを学べたと思います。ただ、組織が大きいだけに業務がしっかりと分けられていたり、現場の担当者への根回しが常に必要だったりという昔ながらの仕事のやり方をどうにかできないだろうかという気持ちが私の中にありました。
Q:開業までの経緯を教えてください
A:私が住宅メーカーに就職したのは10年ちょっと前ですが、その頃にはすでにITが私たちの暮らしを劇的に変えていくことは明らかでした。ITは今までの伝統的なやり方をコンピューターとネットワークで変える行為そのもので、私たちの生活、仕事のやり方や仕事自体にも変化が起きます。そこで住宅メーカーに3年ほど務めたあとIT業界に入って動かす側としてITをもっと知りたいと思いました。ECサイトやクラウドファンディングといった新しい販売方法や資金調達にも関わり、さまざまな情報や経験、人脈を得て、昨年、生まれ故郷である綾町で不動産業の看板を掲げるに至りました。
Q:不動産業として今、考えていることを教えてください
A:不動産業界は、仕組みがしっかりしていると感じています。大きな企業、個人であっても多くの物件や情報を持っているところは、よほどのことがない限り不動の位置というか王者は王者のまま。では新規参入者はどうするかというと、私の場合はIT側からやってみようと考えています。【ADDress(アドレス)】という日本各地の空き家を活用した、住まいのサブスクリプションサービスがあります。毎月定額を支払うことでWi-Fi、家具家電完備、光熱費込みで全国どこでも住み放題。家を管理する現地の方がいて、住む人と地域をつなぐ役目にもなり雇用も生まれるというものです。家、土地を所有するという不動産取引ではなく、住む人のライフスタイルによって場所や暮らし方を選ぶことができる新しい取り組みで、今後、もっとシステムが洗練され参入してくる人たちが増えてくると思います。
Q:今後の目標、目指していることなど
A:私はいつもその時代の流行の変換期において核となるポジショニングでありたい、携わっていたいという気持ちがあります。私の年代はミレニアル世代と呼ばれていて、物心ついたときにはすでに社会はデジタル化して世界中とインターネットで交流が当たり前でした。その後のZ世代と呼ばれる人たちと、私たちの前の世代をつなぐ役目もあると感じているので、仕事も不動産に特化せず、「いま面白い」をテーマにやりたいことをやっていきたいです。自由に何かをやるには責任がついてくるので、決して甘くはありませんが(笑)。
Q:不動産業に興味のある方にメッセージを!
A:コロナで生活様式もガラリと変わりましたし、今、社会にはすごい変化が起きています。不動産業も時代の変わり目というか、バリバリ働いてらっしゃる方たちから貴重な経験談や知識を教えてもらえて新しい何かを創っていくのは「今」だと思います。仕事を始めるにはちょうどよいのでは?ハトマークの宅建業協会は新人研修をはじめいろいろな研修があって助かります。先日は実際のトラブル事案を聞けて役立ちました。無料開業セミナーも開催されているので、参加されてみたらいいと思います。私のような若い人から年配の方まで、さまざまな方が参加されて体験談や困りごとの解決法などを聞けるし知り合いも作れるから楽しいですよ。

【プロフィール】
籾田 顕佑(もみたけんすけ)
宮崎県綾町出身。甲南大学卒。事業承継士の資格も持ち、不動産業と同じく誰かの困りごと解消が仕事のようなもの