(一社)宮崎県宅地建物取引業協会

不動産業に挑戦!先輩の声 あーと不動産 河野 典子 氏

公開:2023年12月21日(木)

宮崎県で不動産業を始めたい、興味がある方へのお役立ちコラム。今回は、逆境を新しい生き方に変えた河野典子さんをご紹介します。

Q:不動産業を始めたきっかけは?
A:20年以上、私は飲食業界で働いていました。おいしいものを食べることが好きで、作るのも好き。そして誰かに「おいしい」と食べてもらうことも好き。自分の小料理店を持って、ずっと頑張っていました。一昨年、コロナで宮崎市から営業自粛要請があり、店を閉めることになりました。大好きな仕事ができなくなって残念でしたが、この時間を生かして今後に役立てようと決心し、宅建士の勉強を始めました。
Q:開業までの道のりを教えてください
A:営業自粛要請が出た2020年の4月ぐらいに宅建士の資格を取る!と一念発起して、その年の秋の試験合格を目標にしました。期間を短く設定したので自己流よりも専門の人に教えてもらったほうがいいと思い、学校に通って猛勉強をしました。宿題はもちろん、自習でひたすら過去問を解いて「何が何でも合格する!」という気持ちでした。そのかいあって半年後の試験で合格、開業したのは翌年2021年の4月です。年齢的なこともあるので、短期決戦で力を半年間に集中させて資格に臨んだのは良かったと思います。
Q:今後の会社としての目標や、やりたいと考えていることは?
A:夫が建築業とテナント業を経営しているので、私の不動産業と合わせ家を建てたい、物件を探しているなどのお客さまに対して土地を探す段階からトータルプロデュースできるのです。会社の規模を大きくして、仕事を一括で請け負いたいですね。そのためにもまだまだ経験を積みたいです。
Q:お客さまとのやりとりの中で、大切にしていることは?
A:飲食業も不動産業も、最終的には「人」を売っていると思います。どちらも1回きりでおしまい、という仕事ではなく、長く長く続いてこそ商売として成り立ちますから。こちらがお客さまに対して誠実に対応し、信頼関係が生まれなければできないことですね。実は昨年、ショットバーをまちなかにオープンさせたんです。来店されたお客さまとのお話しの中で不動産に関することが出てきたら、不動産業をやっていることをお伝えします。ありがたいことにそうして知り合ったお客さまが、必ず仕事に結びついています。飲食業も不動産業も、どちらにとっても営業になるのでなおさら真摯に誠実に対応しなきゃ!って思っています。
Q:不動産業の魅力は?
A:魅力、という言い方はちょっと違う気がしますが、責任を重く感じるところは扱う金額が大きいこと。どなたかの一生ものだったり、法律が関係したりというお取り引きなので、とても緊張します。だから「醍醐味」や「面白み」という言葉ではお話しできません。初めての契約前夜は眠れませんでした。不動産業は、金額のけたが違う。先ほどもお話ししたとおり、金額の大小にかかわらず仕事に対する「重み」に違いはありません。私が不動産取引に緊張するのは、大きな金額を扱うことにまだ慣れていないからかもしれませんが、こういう気持ちは失くさずに持っていたいですね。
Q:不動産業に興味のある方にメッセージを!
A:私の場合は夫がテナント業をしていることで、手がかりがどこにもなくゼロから不動産業を始める人とは少し違うかもしれません。ただ、不動産業を仕事としてイチからスタートさせたという意味では同じです。開業までの手続きは、宮崎県宅建業協会のスタッフさんたちに大変お世話になりました。また、いくつかの研修、異業種から起業した人の集まりや女性経営者のみの懇親会など横のつながりをたくさん持つことができました。その点でも宅建業協会の会員になって良かったです。これから不動産業を始めようと考えている方には無料の開業セミナーがおススメです。いろいろと参考になるお話しを聞くことができますよ。

飲食業も不動産業も「人」が大事だと話す河野さん。お話しを聞きながら、河野さんのショットバーにも寄ってみたいと思いました。ありがとうございました。

【プロフィール】
河野 典子(かわののりこ)
宮崎市出身。50歳。釣りとバイクが趣味で、12月に取材をご協力くださった小玉賢太さんと仲良しなのだそう。